昭和の重力に魂を引かれた漢

小説の感想文、たまぁ~~に雑記

麒麟がきた後の話『賤ケ嶽』

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岡田秀文著

 

賤ヶ岳の七本槍」つって、福島正則加藤清正加藤嘉明片桐且元脇坂安治、、、う~~ん、後二人出てこねぇでお馴染みの。
お馴染みじゃない?マジで?戦国興味ない人ゴメンナサイ。
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賤ヶ岳の戦い

「賤ケ嶽」と銘打ってはいるが、実際の合戦描写は終盤のみ。
備中高松城攻めの秀吉陣に、本能寺の変を知らせる明智の使者が迷い込むところから。
いきなりテンションMAX、もう止まんない止まんない。

正直この先どうなるか全部知ってんだけど、それでも止まんない。
中国大返し~山崎~清州~賤ヶ岳
秀吉のド派手な一生の中でも、まさにこの一年はホントに神懸かってっから。
戦略が冴えに冴え、読みがハマりにハマってるっつーね。
僅か一戦で滅亡したとはいえ、光秀も勝家も決して凡将ではない。
それどころか稀代の名将ですよ、ただ、この時期の秀吉が凄過ぎる。
時代に選ばれた男が作る流れとは、こうも歴史の歯車を高速回転させるものかと。

そしてもう一人の主人公、柴田勝家
イイねぇ~~こういう不器用なオッサンキャラ大好き。
でもやっぱ常識人なのよ、旧時代の象徴。
勝つためには手段を選ばずの秀吉陣営に押しまくられ、北の果てで野望潰えると。

「義と利」

悲しい哉、やっぱ「利」の方が強いのよねぇ~~
そりゃ「義」によって起つのはカッコイイでしょうよ、でも自分の美学で負け戦に巻き込んで家族は、家臣は、領民はどーなんの?
上に立つ人間の辛さ、決断の重さよ。

翻って自分を鑑みるにどうだろうと。
「義と利」の対立なんて仰々しい歴史の中だけじゃなくて、そこら辺にいくらでも転がっとるわけで。
人生の決断を迫られた時、俺ならどうするだろう?
何か格好付けて「義」を取りそうだなあぁ。
周りからの誹謗中傷に耐えられんもんね。メンタル弱ぇから。
一点の迷いも無く「利」に走れるっつーのも、才能だと思うのですよ。
俺も見習いたいもん、そーゆう図々しさ、強かさ。
いくら綺麗事を並び立て理想論を熱く語ったところで、負けてたんじゃ説得力弱いよ実際。
結果が全てじゃないけど、一番重要なのも結果なんです。
だ・か・ら、、、
勝つトコしっかり勝って、謙虚に振る舞う、コレ最強w

黒田官衛兵、佐久間盛政、毛受勝照、滝川一益etc
脇も良いのが固めてます。
これが戦国のポテンシャル。雑魚キャラに至る迄、キラ星の如きスターが勢揃い。
歴史は正に人生訓の宝庫也。

 

三谷色皆無の『清須会議
★★★★☆