昭和の重力に魂を引かれた漢

小説の感想文、たまぁ~~に雑記

絶対にオススメしたくないオススメ『溝鼠』

f:id:ryodanchoo:20200520210028j:plain

新堂冬樹

 

復讐代行屋・幸福企画を運営する鷹場英一。

金のため、自らの快楽のため、今日も他人の人生をブチ壊す。

夜の街に蠢く「溝鼠」たちの狂躁。

黒新堂節炸裂ッ!!

いや~~参った、とんでもねぇっス。

人間のクズ、社会のダニ、鬼畜、ド悪党、街の闇に蠢く溝鼠(どぶねずみ)共をを捏ね繰り回し、地獄の釜にブッ込んで、吐瀉物でグツグツと煮込んだ後、仕上げに変態風味を練り込んだ特製排泄物フリカケをぶち撒けたような話。

吐き気を催すような外道が主人公かと思ったら、それを上回る新手の腐れ外道が続々登場という怒涛の展開。
外道に次ぐ腐れ外道、悪党に次ぐド悪党。
拷問で、腐って蛆が湧いたメロン喰わせるとか勘弁して下さい。
こりゃ絶対に映像化不可能だろ。

それでも読書を中断する様な猛烈なる嫌悪感を募らせずに済んだのは、基本潰し合ってるのが「溝鼠」同士だから。
もし善良な一般市民が嬲られる様な展開だったら、多分読書を始めて以来初の棄権作品になっていたでしょう。
っつーわけで、何とか読了した次第。
う~~ん、どう批評していいのやら、、、

じゃあ、、、技術的な面を、、、
同じ場面を複数視点で二度描写する意味がイマイチ理解出来ず。
ミステリーでやるような、別視点描写から謎が解けていくというわけでもなく。
正直、同じ場面二回やってるだけじゃん感は否めなかったのだが。俺の読解力不足か?

、、、、、、。

まぁそんなぁこたぁ内容の過激さに比べりゃ些細なことです。
そしてそれを彩る強烈なキャラクター群、キャラが濃いのは当然、何故ならば全員漏れ無く変態だから!
面白い、、、面白いと書けんのかココに?
褒めらんねぇ、コレを褒めたら俺の好感度が下がるw
「今何読んでんの?」と問われたならば、新堂冬樹先生の『溝鼠』と口に出すのが憚られるくらい。
今作読んでるのがバレたらちょっと恥ずかしい→それ程の内容。

どう?ちょっと読みたくなった?
絶対にオススメしません。


続編の『毒蟲vs.溝鼠』、、、絶対読みます
★★★☆☆