昭和の重力に魂を引かれた漢

小説の感想文、たまぁ~~に雑記

タイプです『Qrosの女』

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誉田哲也

 

ファストファッションブランド「Qros」のCMに登場する謎の美女を巡る、芸能界の闇。
週刊誌の芸能記者が見た彼女の正体とは?

序盤は世間を騒がす「Qrosの女」とは、一体誰なんだ?
↑これだけでグイグイ引っ張りますが、中盤であっさりネタバレ。
オイオイ、後半分どーすんの?と思ったら、各キャラ持ち回りで同じシーンを別視点からという趣向。
些か冗長な感じも受けましたが、面白くサクッと読了。

「Qrosの女」のキャラ設定がモロ俺のタイプ♪
表紙見て速攻ジャケ借りしたのは、間違いありませんでしたw
こりゃ作中栗山記者じゃなくとも、守ってあげたくなるちゅーもんです。
でも正直、ガッツリ掴まれたのはココだけかなぁ~
芸能界の裏話や、芸能記者の取材ノウハウなんかも興味深くはあるんですが、イマイチ琴線に触れずサラッと読み流しちゃいました。

そして逆に一つ大いに引っ掛かったのは、作品全体に漂うネットへのあからさまな敵意。
確かに匿名をいいいことに、ネット上に誹謗中傷を書き込むのは許せないことです。
しかし作中、偽情報をばらまくことに何の躊躇いもない、相手の弱みを握って強請ることも度々というようなゴロツキの情報屋にまで偉そうにネット批判させる場面には、正直違和感ありまくり。

何っつーか、この、既存大手メディア側の、“ネットは嘘だらけ、我らだけが責任ある情報発信者だッ!”みたいな上からの物言いに凄ぇアレルギーあるもんで。
ネットの浸透によって、かつては選ばれし者のみの特権であった情報発信という絶大なる既得権益が、徐々に脅かされているっつーイライラ感は理解出来んこともないですが。
兎に角、叩きやすいところを叩いとけみたいな、安易なネット批判には辟易です。
あらら、誉田先生の意図とはズレてるかな?コレ。
でもまあ、俺だけでしょ?こんな捻くれた感想カマしてんのはw
普通に面白いです、基本憎めない奴ばっかの爽やかな話だし。


マスコミ嫌いの八つ当たり反省
★★★☆☆