昭和の重力に魂を引かれた漢

小説の感想文、たまぁ~~に雑記

2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

泣けます『池田屋乱刃』

伊東潤著 皆さん御存知「池田屋事件」ですね。 熱い、熱いッこれぞ幕末の真骨頂。戦国の勝つため、生き残るためには何でもやる。親兄弟でも切り捨てるっつードロドロしたしぶとさ、老練さ、狡猾さ、そーいったもんは皆無。ひたすら純粋で猛烈に熱い。 いかに…

全既婚男性必読『紙の月』 

角田光代著 例によって例の如く書架をうろついていて、上記タイトルを目にした瞬間、宮沢りえさんの顔がパッと浮かび即決。 一億円横領事件の裏に隠された中年女性の悲哀と業。 切なさ、やり切れなさ、恐怖、不安、焦燥感、、、どっと疲れましたね。常々リア…

単純な面白さだけなら当ブログナンバーワン『猿の見る夢』

桐野夏生著 面白えぇッ!! そうね、何から語ろうか、、、先ずは表紙ですね、うん。 写真見てよ。 鮮やかなる深紅に憂い顔のピエロ、明朝体でタイトルど~~ん! オーラが凄ぇ、面白そうオーラ。俺の面白レーダーがビコンビコン反応してます。 表紙の絵画は…

読書酔い必至 『夜は終わらない』

星野智幸著 女結婚詐欺師玲緒奈(れおな)。 類い希なる美貌とあらゆる手練手管を駆使し、今宵も全財産を吐き出させた男を葬り去る。 ターゲットを殺す直前、彼女は奇妙な提案をするのだった。 「ね?私が夢中になれるようなお話をしてよ」 過去に体験した話で…

不思議系副将『東京自叙伝』

奥泉光著 先ず表紙からして攻撃的。赤地に白の極太明朝体、端に鼠一匹。 怪しげな思想本か何かか?それにしても毒々しい。 書架でも異様な程の存在感を放っておったが、あまりにギラギラしてるもんで忌避しておりました。 で、今回読んでみてヤッパリなと。 …

不思議系最強『本にだって雄と雌があります』

小田雅久仁著 何じゃコリャッ!?!?まさに怪文奇文迷文?形容詞と修飾語、比喩比喩比喩の嵐ッこんなゴテゴテした文章見たこと無ぇ。俺もさぁ~~それなりに色んなジャンルの小説読んできたと思ってたけどまだ残ってるんだね、「こんなの初めてかもッ!」っ…

スイマセン、ナメてました『火花』

又吉直樹著 御存知大ベストセラー。 読もう読もうと思いつつあっという間に刊行から数年、遂にッ又吉先生と初対決。 なんぼのもんじゃいッ!! 正直申しますとねハイ、芸人作家がデビュー作で芥川賞? ほぉ~どれほどのもんか見せてもらおうじゃないですかっ…