昭和の重力に魂を引かれた漢

小説の感想文、たまぁ~~に雑記

小説以外

ド長文Ⅱ『太平洋の試練 ガダルカナルからサイパン陥落まで』

イアン・トール著 村上和久訳 著者入魂の太平洋海戦録三部作第二弾。 ryodanchoo.hatenablog.com 今回は半年の消耗戦で日本が継戦能力を殺がれた「ガダルカナルの戦い」から、その敗北により太平洋戦争での敗戦がほぼ確定した「マリアナ沖海戦」まで。 充分…

経験者のみが語りえる圧倒的リアリティ『ペリリュー・沖縄戦記』

ユージン・B・スレッジ著 伊藤真/曽田和子訳 米ドラマ史上、最高額の制作費を投入した歴史大作『ザ・パシフィック』原作。 海兵隊員として太平洋戦線に従軍した著者が体験した、極限を超えた戦争の実態。 圧倒的リアリティ。 英雄礼賛でもなく、反戦でもな…

満点五ツ星『誇り高き日本人』

泉三郎著 「国の運命を背負った岩倉使節団の物語」 明治4年11月、岩倉具視が率いる明治政府の使節団が先進の西洋文明を学ぶため、横浜港から旅立った。 ヤングは知らんだろうが昔五百円札というのがあってだな。 そこでしかめっ面をしておったのが、今回の主…

大著『第二次世界大戦 影の主役―勝利を実現した革新者たち』

ポール・ケネディ著/伏見威蕃訳 膨大な情報量と緻密な分析に圧倒される。二次大戦における連合軍の勝因といえば、「圧倒的物量」・「先進の科学技術力」・「情報戦での大勝」などが真っ先に思い浮かぶが、本書ではさらに突っ込んで、最終的な勝利へ向け何が…

ド長文『太平洋の試練 真珠湾からミッドウェイまで』

イアン・トール著 村上和久訳 著者入魂の太平洋海戦録三部作第一弾。書店で平積みされているときから気には留めていたのだが、中々読む機会に恵まれず後回しにするうち、二作目の「ガダルカナルからサイパン陥落まで」が刊行されるに至り、 ryodanchoo.haten…

ブッ飛んでます『山本五十六の大罪』 

中川八洋著 題名からいわゆる敗因分析本、山本の戦略戦術の失策を列挙し、それを検証する内容だと察した。今回は既知の事柄を再確認するだけの読書になると甘く構えていたのだが、これがとんでもない爆弾本であった。 本書の軸は、日米対立の影にソ連の暗躍…