昭和の重力に魂を引かれた漢

小説の感想文、たまぁ~~に雑記

私、イキってます!

葉真中版 ゴールデンカムイ 『凍てつく太陽』

葉真中顕著 当ブログエース、「魂の抉り屋」葉真中先生の御登場です。 『絶叫』では、堕ちていく一人の女性を通して人生の意味、本当の幸せを問いかけ、 ryodanchoo.hatenablog.com『ブラック・ドッグ』では、食物連鎖の頂点に傲慢に君臨する人間たちへ生命…

ド長文Ⅱ『太平洋の試練 ガダルカナルからサイパン陥落まで』

イアン・トール著 村上和久訳 著者入魂の太平洋海戦録三部作第二弾。 ryodanchoo.hatenablog.com 今回は半年の消耗戦で日本が継戦能力を殺がれた「ガダルカナルの戦い」から、その敗北により太平洋戦争での敗戦がほぼ確定した「マリアナ沖海戦」まで。 充分…

ま・さ・に、リメンバー『ウェルカム トゥ パールハーバー』

西木正明著 日米開戦回避のため、アメリカに派遣された文書諜報のスペシャリスト「天城康介」と「江崎泰平」を軸に描かれる開戦秘話。 小説なので、当然史実を元にしたフィクションということになろうが、本当の歴史も恐らくこの様な流れなのではと思わせる…

暗いと不平をいうよりもすすんで明かりをつけましょう『ニサッタ、ニサッタ』

乃南アサ著 新卒で入社した会社を些細な不満で退職、その次に就職した会社が不運にも倒産。 その後漫然と日々を過ごすうち、あっという間にネットカフェ難民にまで落ちてしまった「片貝耕平」 金なし、ヤル気無し、スキル無しの八方塞がりの状態から、這い上…

バリバリ面白いけど嫌いです『ジェノサイド』

高野和明著 流石 「2012年版このミステリーがすごい!1位」 薬学部の大学院生研人と戦場を渡り歩く傭兵イエーガー。 何の接点もない二人の運命がアフリカの大地で交錯するとき、既に人類を揺るがす恐るべき陰謀が蠢きだしていた、、、 面白い!ハリウッドばり…

昭和史のもどかしさに悶えまくる『ロンドン狂瀾』

中路啓太著 「ロンドン海軍軍縮会議」がテーマ。中路先生、これまた渋いネタ引っ張ってきましたねぇ~~、えぇ~~と、説明面倒臭いんで(爆)初耳の方は検索願います。過去読了の戦国モノ二作にて(おいおいアップ予定)、既に中路先生の力量は充分に存じ上げて…

大著『第二次世界大戦 影の主役―勝利を実現した革新者たち』

ポール・ケネディ著/伏見威蕃訳 膨大な情報量と緻密な分析に圧倒される。二次大戦における連合軍の勝因といえば、「圧倒的物量」・「先進の科学技術力」・「情報戦での大勝」などが真っ先に思い浮かぶが、本書ではさらに突っ込んで、最終的な勝利へ向け何が…

続・断じて反安部に非ず『冬を待つ城』

安部龍太郎著 予告通り連荘で安部先生です。 小説のジャンルの中でも歴史モノが好きで、それこそ過去何十冊と読んできましたが。 これほどまでに一方的な善悪二元論、偏向・肩入れ・依怙贔屓を見たことがない。 「豊臣ファン達は不満よな。旅団長 動きます。…

ド長文『太平洋の試練 真珠湾からミッドウェイまで』

イアン・トール著 村上和久訳 著者入魂の太平洋海戦録三部作第一弾。書店で平積みされているときから気には留めていたのだが、中々読む機会に恵まれず後回しにするうち、二作目の「ガダルカナルからサイパン陥落まで」が刊行されるに至り、 ryodanchoo.haten…

ブッ飛んでます『山本五十六の大罪』 

中川八洋著 題名からいわゆる敗因分析本、山本の戦略戦術の失策を列挙し、それを検証する内容だと察した。今回は既知の事柄を再確認するだけの読書になると甘く構えていたのだが、これがとんでもない爆弾本であった。 本書の軸は、日米対立の影にソ連の暗躍…