昭和の重力に魂を引かれた漢

小説の感想文、たまぁ~~に雑記

戦国

『信長の原理』とは?

垣根涼介著 書店でこのタイトルと装丁を見かけた瞬間、すぐにピーン!と来まして。 著者名を確認してやっぱりねと。 ryodanchoo.hatenablog.comまさか、あのイメージドンピシャの垣根光秀に再会出来るとは。 これは否が応でも期待が高まります。 勿論タイト…

○○○とは何者だったのか? 『黒南風の海「文禄・慶長の役」異聞』

伊東潤著 「文禄・慶長の役」異聞 この題名を認識した直後には、もう手に取っていた。 そして手に取った数秒後には、相反する二つの感情が沸沸と湧き上がってきていた。 期待と不安である。 『武田家滅亡』では、相当楽しませて頂いた。 ryodanchoo.hatenabl…

『光秀の定理』とは?

垣根涼介著 歴史小説初挑戦の垣根先生が描く、織田家仕官前、歴史上まだ無名の明智光秀。 面白いッ! 書店に並んでる時からそのタイトル、桔梗の旗印を思わせる水色の美しい表紙にこれは面白そうと目星を付けておいたのだが、先日遂に図書館にて発見。ありが…

主人公誰?の川中島『吹けよ風 呼べよ嵐』

伊東潤著 御存知「川中島の戦い」ですね。キモは主人公が信玄でも謙信でもなく、北信濃の国人「須田満親」っつーところ。っつーか、誰だよッ!?って、ウィキで補完したら、意外と大物じゃん。 川中島最大の激突である第四次をメインに、全五回の戦いをガッ…

「本能寺」“ 後 ” からでもこの面白さッ!

図書館で借りたハードカバー 古書店で探し回った文庫 羽山信樹著 「羽山信樹週間」お付き合い頂きまして有り難うございました。 最終日の今回は御大との出合いの一冊、今日私の光秀像を決定付けた一冊です。 以下2010年に書かれた感想文です。 タイトルで即…

読み返すに、やっぱ四ツ星じゃね?『是非に及ばず』

羽山信樹著 引き続き「羽山信樹週間」継続中です。 感想文書いた時期と当ブログにアップした順番に差異があり、記述にズレが生じてしまい申し訳ありません。 >信長に敗れたといえば通常、浅井、朝倉、武田辺りがいの一番に思い浮かぶところ。 勿論羽山先生に…

羽山御大が描く切な過ぎる本能寺『夢狂いに候』

羽山信樹著 「本能寺の変」そう、また本能寺。しょーがねぇっス、だって日本史で一番ドラマチックな日なんですもの。これからも何かにつけ絡んでくること必至。 でも今回ちょっと違うのは、主役が信長でも光秀でもないこと。歴史の大河に現れた、織田信長と…

今週は「羽山信樹週間」です『第六天魔王信長』

羽山信樹著 ハイ、御存知織田信長です。 吉法師~桶狭間~金ヶ崎~姉川~小谷城~長篠~本能寺という流れ。 ある程度の戦国好きなら当然、全エピソード既知も既知なのだが、羽山御大がいかにしてこの日本一有名な歴史上の人物の人生を描きだすのか?今作の要…

織田軍の圧倒的物量作戦『滅びの将-信長に敗れた男たち』

羽山信樹著 副題の通り、信長に敗れた男たちの短編連作。別所長治、荒木村重、吉川経家、松永久秀、清水宗治の五人。一見するに中国戦線偏重の印象。信長に敗れたといえば通常、浅井、朝倉、武田辺りがいの一番に思い浮かぶところ。勿論羽山先生に限って洩れ…

『治部の礎』の上に築かれたもの

吉川永青著 御存知、石田治部少輔三成。ココの常連さんならひょっとしたら、頭の片隅に引っ掛かってる方も、もしかしたらいらっしゃるかもしれないと期待したりしてみっちゃったりなんかして。そう、俺石田三成大好きなんです。 っつーか、アイコン見たら一…

島津義弘伝???『衝天の剣/回天の剣 島津義弘伝』

天野純希著 戦国最強は誰か?歴史ファンなら一度は、侃侃諤諤の激論を経験されてるかと思います。信玄か謙信か、それとも本多忠勝か、はたまた両兵衛か?戦場を支配する指揮能力なのか、単純に個人の武力か、戦そのものを方向付ける戦略戦術か?どの要素を重…

超ウルトラC本能寺『天主信長 我こそ天下なり』

上田秀人著 また本能寺かッ!そぉでぇす、また本能寺。ネタもフリもオチも全部知ってる話なのに面白い、そう!それが「本能寺の変」戦国興味ない人ゴメンナサイ、置いて行きますw もう尽きたろうと。パターンね、パターン。もう出尽くしたでしょ?あらゆる手…

豊臣政権の大蔵大臣『天下を計る』

岩井三四二著 ハイッ「長束正家」知ってる人? 、、、、、、。 簡単に言うと、豊臣政権の大蔵大臣ですね。 いやぁ俺もまさか、長束正家主人公の小説読むことになるとは。 やっぱ地味だもんね。 どうも戦国武将は派手な戦上手ばっかが持て囃されてて、内政官…

シリーズものは表紙にハッキリ明記していただきたいッ!『もののふの国』

天野純希著 鎌倉から幕末、武士の時代を描いたオムニバスかと思いきやそれだけに留まらず。文芸誌の創刊を記念して展開される「螺旋プロジェクト」の一環だとか。毎回言ってますが、シリーズものは表紙にハッキリ明記していただきたいッ!スタンドアローンと…

続・断じて反安部に非ず『冬を待つ城』

安部龍太郎著 予告通り連荘で安部先生です。 小説のジャンルの中でも歴史モノが好きで、それこそ過去何十冊と読んできましたが。 これほどまでに一方的な善悪二元論、偏向・肩入れ・依怙贔屓を見たことがない。 「豊臣ファン達は不満よな。旅団長 動きます。…

反安部に非ず『レオン氏郷』

安部龍太郎著 蒲生氏郷ですね、御存知?ホレ、あのぉ~、もみあげが“シャキーン”ってなってる人。 正直俺もあんまり詳しくないんです。本能寺のときお父さんが安土城守ってたってことと、秀吉が関東の家康を北から牽制するために会津に大封したってことぐら…

まさかのラスト『左近』

火坂雅志著 「治部少に過ぎたるものが二つあり 島の左近と佐和山の城」 明智光秀と石田三成、俺の好きな戦国武将。その光秀を見捨て、そして三成に忠義を貫いた漢、ハイ、左近こと島清興ですね。正直、関ヶ原での活躍ぐらいしか知らなかったので、これを機に…

戦国闘病記『白頭の人』

富樫倫太郎著 「大谷吉継」 知ってる人は皆大好き、知らない人は何にも知らない。俺は勿論大好き。本作読んで更に好きになったね。簡単に言うと、豊臣秀吉の家来で石田三成の親友、「関ヶ原の戦い」で一番活躍した人です。あの秀吉をして、百万の兵を指揮さ…

麒麟がきた後の話『賤ケ嶽』

岡田秀文著 「賤ヶ岳の七本槍」つって、福島正則・加藤清正・加藤嘉明・片桐且元・脇坂安治、、、う~~ん、後二人出てこねぇでお馴染みの。 お馴染みじゃない?マジで?戦国興味ない人ゴメンナサイ。ハイ取り敢えずキーワード検索 ↓ 「賤ヶ岳の戦い」 「賤…

信玄公にこそ読んでいただきたい『武田家滅亡』

伊東潤著 本文二段書きの四百項超ッ大長編です。 内容はまあ、題名の通り。っつーわけで、戦国興味無い人ゴメンちゃい。長篠でボコられた後、継室桂(かつら)の輿入れから、天目山で勝頼が自害(討死)するまで。 天正五年(1577年)~天正十年(1582年)までの…