昭和の重力に魂を引かれた漢

小説の感想文、たまぁ~~に雑記

拝啓 森見登美彦先生『恋文の技術』

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森見登美彦

 

作品いつも楽しく拝読致しております。
本作『恋文の技術』も相変わらず森見ワールド全開、溢れ出る語彙の洪水が捏ね繰り回されている文章に、小生軽い酩酊状態でございます。
文章に酔うとはこれ如何に?

それにしても主人公「守田一郎」の駄目人間っぷり。
鉄板の既定路線、これぞ森見作品のヒーロー像ですね。
三百項を超えて繰り返される、妄想←→決断間の不毛なる思考のピストン運動。
とても想像上のキャラクターとは思えません。
まるで、幼き日からの親しい友人の様な、、、

まるで、血を分けた兄弟の様な、、、

まるで、俺の分身の様な、、、そう!俺だろコイツ?何で俺が?

森見先生、何故俺の習性をこれ程迄的確に御存知なのですか?
逢ったこともないのに。

いたずら小僧で
不器用で
気が小さく
泣き虫で
つよがりばかりの

嗚呼男って男って、、、

「守田一郎」はイイ、イイんです、だってまだ二十歳そこそこの若者、青春真っ盛りなのだから。
もっと言わせてもらうならば、貴方がお創りになったキャラクターだし。
しかし!俺はどーなる?もう四十を越えたオッサンなのです。
いい加減こんな面倒臭い性格とはオサラバして、人生の荒波ビッグウェーブもなんのその、悠々軽々とテイクオフしたいものであります。
しかしながらサーファーはチャラいという固定観念を拭いきれません、困ったもんだ。
人を見かけだけで判断するような大人にだけはなるまいと誓ったあの日。

そんな訳で、どんな訳?作家別カテゴリー初の三冊目突破作家として森見先生に御登板願った次第であります。
う~~ん、だから四つ星は獲ってほしかった。
そんなの知ったこっちゃねぇ!って、仰る通り。
何れまた多摩地区何処かの図書館にて、御手合わせできることを楽しみにしております。
たまには買え!って、仰る通り。

敬具
昭和の重力に魂を引かれた漢 旅団長
森見登美彦


追伸
★★★☆☆